『歴史学の革新―「アナール」学派との対話 』感想

 
タイトル:歴史学の革新―「アナール」学派との対話 (テオリア叢書)
内容:19世紀までの、史料崇拝の時代が疑問視され、歴史学派新たな時代を迎える。
現代歴史学の流れについて書かれた本で、
マルクブロックの誕生から、フランスに誕生したアナール学派、
今日、歴史学がもつ課題などが書いてある史学概論解説書みたいな本。

EHカーの『歴史とは何か』と比べると、難解に書かれていますが。
この本はカー以降の歴史学を知るにはわかりやすい本です。

史学概論の教科書より、新しいことがかいてある?ので、歴史系の卒論を書く予定の方は
ぜひとも読んだほうがいいです。

現代の歴史学は、アナール学派を幹にしています。
その、アナール学派のはじまりと時代背景、共通する特徴と、多面的な歴史学の説明だけでなく、
20世紀を代表する歴史家の名前を知るためにも
重要な本ではないでしょうか。

西洋史特殊3のレポート書いた際読んだマルクブロック『封建社会』の解説で、
ちらっとかいてあった「マルクブロックの生涯」について、気になっていましたが、

こちらの本は
大学教授の息子として生まれてから、ナチスと戦い死亡したまでの
マルクブロックの波乱万丈な生涯について詳細が書いてありました。

史学概論とはあまり関係ないですが、
この本で、
中世ヨーロッパのの時間概念と、近現代ヨーロッパの時間概念の違いに関する
ルゴフの研究のことが書かれていたのですが、

アウグスティヌスの時間論がきになっているので、
この研究内容がきになるところです。今度探します。


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