『メソポタミア文明入門 (岩波ジュニア新書)』感想

タイトル:メソポタミア文明入門 (岩波ジュニア新書)
内容:メソポタミア文明について、詳しく書かれた一冊。
前半は教科書的。後半は粘土板やハンムラビ法典についてかかれています。
入門というタイトルがついていますが、けっこうマニアックな本だとおもいます(笑)

S・N・クレイマーが「歴史は シュメールに始まる」と言ったように
古代世界において、メソポタミアははずせないスポットですが、
古代は歴史学より考古学がつよいため、イマイチわからないことだらけで、
今回、テスト勉強を兼ねて、いろいろ勉強してみようと思い、
この本を選びました。

岩波ジュニア文庫から出ているこちらの本。
今まで「岩波ジュニア文庫」というと、高校生でも理解できるやさしめの本というイメージだったのですが、
こちらに関しては、印象がかわりました。

難しい。
この本難しい!

カタカナの羅列なので、難しく見えるだけかもしれませんが、
前半むずかしかった・・・
中東の地理に詳しくないときついです・・・
たまに行くので、中東の地理には結構詳しいほうだと思いますが、
古代世界と現代世界は都市名が違っていたり、なくなった都市もあるので、
世界史資料集片手によみました。。。。

前半は、歴史の教科書のように
政治史を区切りなく羅列させたようなかんじで、
なにがなんだかわからなくなってくる・・・。

うーん、つまらんとリタイアしそうになったところで前半終了。

後半は古代バビロニア時代の『粘土板の家』と呼ばれた
学校に関する章
に突入します。

ココはおもしろい。
古代オリエントでは、粘土板というものに文字をかいていました。
その「書記術」を学ぶための学校があったのです。

当時の学生が書いた粘土板が古代バビロニアの地層から多く発見されてうんぬんとありました。
筆記具の使い方から、書かれていた文章まで細かい説明で、
それが面白い。

この次の章のハンムラビ法典に関する説明
面白かったです。
ハンムラビ法典は、今ではパリの「ルーブル美術館」にありますが、
発見された当時は3つにわれていたそうです。
すぐに復元され、解読作業がすすめられました。
高さ2.5メートル
玄武岩
で、ぎっしり法碑文が刻まれています。

書かれている内容からいうと、
法典というより法集というほうがただしい。

もし ではじまる条件文と
それに対する帰結文で成り立っている 決疑法で書かれているのが大半。

目には目を歯には歯を で有名ですが、
これは、加害者と被害者がおなじ身分であることが前提で、
身分が違う場合は大きく内容が異なる点に特徴がありました。
どんな違いがあったのか、
この本では詳しくかかれていて
なるほどー!!と、うなずきながら読了。


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