先週末ほどミシュレにささげた週末はないでしょう・・・
ミシュレ『フランス史1、2、3、4、5、6』読みました。
一冊がけっこうな厚さなので、速読(拾い読み?)モードでよみましたよ・・・。
ミシュレ『フランス革命史』の前段階に当たるフランス史で、
物語の始まりはガリア人から。
哲学者ヴィコーから学んだ精神から
「人間の歴史が宿命に対する自由の闘争である」との思想の上で
フランス史を書いていっています。
40年かけて書き上げたフランス史のなかに、
彼はプロメテウス的進化をみていました。
彼の歴史は過去の再現による「復活」の歴史なんですよね。
だから、「フランス史」と「フランス革命史」をタイトルを分けて、別にした。
復活前のフランス史が「フランス史」で
復活に関するフランス史が「フランス革命史」。
フランス革命に新生フランス誕生をみていたミシュレ。
私の大好きなユゴーのミュージカルの歌詞で
The blood of the martyrs will water the meadows of france!
というフレーズがありますが、ミシュレの描く世界もこういうかんじ。
フランス革命→二都物語 というイメージの私としては
ミシュレやユゴーたちは フランス革命の美化?がちょっとすぎるなっておもいます・・・
このあたりは、いかにもロマン主義的な感じがします。
この本の和訳、けっこう新しい本なんですよね・・・
たしか、私が史学を専攻していたころ、ミシュレの『フランス史』は和訳では存在しなかった気がする。
フランス史を勉強する方は、この本はフランス史学の原点?なので、ぜひとも読んでみてほしいです。
フランス史6巻が最終巻ですが、この本の発行が2011年の秋でした。
あとがきに、地震、津波、原発事故の事が載ってました。
原発は明らかに人災とかいてありました
ミシュレの和訳は、今後何十年も読まれていくでしょうから、
何十年後に史学を勉強する人たちも、このあとがきを読むことでしょう。
そのころには、3.11のことを研究する歴史家も出ているんでしょうね。そうおもうと不思議な気持ちになります。
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