文学部出身OL Akiの「社会人になってから読んだ本の記録」

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ドイツ文学 ヨーロッパ史 西洋哲学

ウェーバー『職業における政治』視点からみるメディアの在り方について

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参考文献一覧がなかったので、書きかけかもしれないwww

〈序〉 
ウェーバー著『職業における政治』によると、せまい意味での政治とは、政治団体(国家)の指導であり、その指導に影響を与えようとする行為である。近代国家の社会学的な定義は、トロツキーが「すべての国家は暴力の上に基礎づけられている」というように、すべての政治団体に固有の、特殊的手段としての物理的暴力の行使が認められる点である。
国家以外のすべての団体や個人に対しては国家の側で認めた範囲内でしか物理的暴力行使の権利が認められない。国家から暴力行使への「権利」の唯一の源泉とみなされているということが、現代に特有な現象である。それは、国家の政治が揺らいでいるような場所においては権力や暴力の正統性をお互いに主張するという事態に陥る。例えると、現在のシリアで起こっている政府軍と反政府軍はまさにそうである。本レポートでは、1章で『職業における政治』を要約しつつ、2章で政治とメディアの在り方について考えてみた。

1章:支配と服従
国家が存続するためには被治者が支配者の主張する権威に服従することが必要である、被治者はどんな場合にどんな理由で服従するのか、この支配はどんな正当化の根拠として外的な手段とに支えられているのか。以下を中心とした正当性の根拠を必要とする。
1、 家父長制などの永遠の過去が持つ権威、2、預言者や偉大なデマゴーグなどのカリスマ的支配、3、国家公務員たちが担い手の合法性による支配。これらおおまかに3つの型に分類できるが、これらが複雑に絡み合って支配は成り立っている。

ウェーバーは上記のなかの2のパターンに関心をよせ、内部構造を説明している。カリスマ的支配は、指導者らだけの力では政治的権力闘争に迎えられない。決定的に重要なのは、彼らの手先として働く補助手段の方だと考えた。政治的支配権力はどのようにして自己の支配権を主張しはじめるのか。そこでの人々の行為が、自らの権力の正統性を主張する支配者に対しあらかじめ服従するように方向づけられている事。支配者はいざというとき物理的暴力をこうしなければならないが、これを実行するために必要な物財が服従を通じて支配者の手ににぎられていること.支配権を主張するには、人的な行政スタッフと物理的な行政手段の2つが必要である。行政スタッフとは、政治的支配機構が存在しているという事実を外に向かって表示することになり、物質的報酬、名誉という2つの手段が服従の動機となっている。

中世、封建制下の封臣は、綬封された所領内における行政や司法を自らが敷き、装備品を自ら用意して召集に応じたが、絶対主義以降になると、自分に隷属する人間をつかって、行政の掌握をはかり、その行政費用は自らの財産で賄い、装備品、食べ物も調達し、完全に自分の今のままになる軍隊を作ろうとした。
身分制団体の君主は、自立性の強い貴族の助けを借りて支配していたが、この種の君主は、平民など、物質的に完全い支配されていて自力で対抗する力を持たない層を自らの支えとして君臨している。そのもっとも合理的な形である官僚制的国家秩序などが近代国家の特徴である。
近代国家では、政治運営が事実上頂点にあつまり、すべての官吏は自分の支出する金、建物の私的な持ち主ではなくなり、今日国家では行政スタッフの物的行政手段からの分離が完全に貫かれている。国家という収奪者から、政治手段、政治権力を収奪しようとする動きもあり、これまでの合法的政府にかわって指導者が現れ、選挙という方法で政治上の人的スタッフや物的装置に対する支配権を手に入れた彼らは、自らの正統性を統治者の意思にもとめている。
独占の目的達成のため、物的な運営手段は国家の指導にあつめられ、かつて国有の権利として握っていた役職者は奪われ、国家自らが頂点に君臨するようになった。そこで、登場したのが職業政治家である。

職業政治家
政治組織間、政治組織内部の権力関係に影響を与える職業政治家は、臨時でも副業的な政治家としても、本職としても存在可能である。職業政治家は、政治の「ために」生きるか、政治「によって」生きるかのどちらかである。政治を恒常的な収入とするものは政治によって生きるものであり、そうでないものは政治のために生きるものである。国家政党の指導が政治によってではなく、政治のためによって生きる人によって行われると、人的補充は金権制的になるため、そうでない方法で補充されるには確実な収入がえられるという前提が必要になる。かつての君主が部下に与えたのはレーエンや土地などであったが、今日、正当指導者が与える報酬は正当・新聞社などにおける役職であるとウェーバーは述べている。

官吏制度
ヨーロッパの分業的な専門官吏制度は500年ほどかけて徐々に成立したが、専門の官吏団から指導者型の政治家も登場する。一人の政治指導者が内政を含む一切の政治を形の上で統一的に指導することがどうしても必要である。その過程でまずできたのは合議制をとる最高行政官庁である。それらは名目化していったが結果は国家によってことなる、ドイツでは王室で握り続けたたが、イギリスでは議会の権力が国王よりあがり、内閣が発達。議院内閣制はのちに大陸でも採用された。アメリカと、その影響を受けた土地では民主制国家は大統領が自分の任命する行政機構の頂点にたつ方法が採用された。
政治が経営にまで発展していくと、公務員は「専門官吏」「政治的官吏」の2つにわかれていった。内閣が更迭するたびに辞任する官吏が出てくる。彼らは内務行政を統括する権限を持ち、現在支配機関の維持を任務として動いている点で、政治的要素をもっている。
過去における職業政治家は、君主と親族との闘争の中で君主に奉仕しながら成長してきたが、彼らが政治的に利用できる階層と積極的に交流した。それらの階層とは、身分秩序に縛られることの少ない聖職者、文人、宮廷貴族、ジェントリー、法律家などである。
生粋の官吏は行政を非党派的にすべきである。官吏として倫理的にすぐれたひととは政治に向かない人である。
 立憲国家、民主制成立とともに台頭してきた民衆政治家は西洋における政治指導者の典型であるが、彼らは演説によって民衆に働きかけることからジャーナリストが重要視されることとなった、

ジャーナリスト
職業政治家タイプとしてのジャーナリストは長い歴史において存在しているが、政党職員としてのジャーナリストはここ最近であるとウェーバーは述べている。
政党職員の地位が歴史的にどう進んでいくか。政治生活に関心を持つ少数の人々は、自由勧誘で部下を得てきたが、ほぼ利害関係者による運営であった。当初はジャーナリストだけが有給の職業政治家であり、政党は選挙の時だけのものであった。政党の地方支部ネットワークが名士により中都市や農村まで拡大していっても、本職の政治家は依然として少数で政治は副業という考えがつよかったという。
 近代的な政治組織の誕生を生み出したのは民主制と普通選挙権であった。大衆獲得と大衆組織の必要性から本職の政治家が経営を握るようになる。
 組織された党員の集会が候補者を選び、上級の党大会に代表を送り出すようになる。党員は指導者の勝利から報酬を期待する。指導者の望む拡大と密接に結びついている。
指導者はどう選ばれるのか、それはデマゴーグ的雄弁の力が求められる。そして、政治上の資本主義企業家である「ボス」の存在をウェーバーは重要視している。ボスは弁護士や経営主などにわたりをつけ、自分のネットワークを広げいっていの票をコントロールすることができる。さらに資金の大部分を法達志、権力のための権力を求め動く。アメリカなどは上から下まで厳密に組織された資本主義的な正当運営がなされ、自治体行政を操ることによって利益を上げようとする団体となっている。

2章:メディアと政治
 第三次グローバリゼーションの到来以降、世界中で、デマゴーグ的能力が政治家選出のためにより重要視される時代になった。選挙法改正により、2013年の夏からインターネットでの選挙活動が解禁された日本では、マスメディアだけでなくTwitterやホームページなどを駆使した選挙戦が繰り広げられ、その結果、イロモノ政治家と呼ばれる芸能人の政治家などが増えているようである。この現象は日本だけではない。メディアの氾濫は世界情勢の方向性を変える危険性をはらんでいる。 
 たとえばシリアの内乱である。私は2011年、内乱がはじまる前までシリアに滞在していたが、シリア国営放送と欧米系やアルジャジーラが衛星放送で流す情報は全くの逆で、海外だけでなく、シリア国内でさえ混乱をきたした。日本では、各放送局は欧米やアルジャジーラから拝借してきた情報をトレースしたものが出回り、だいぶ誤った情報が国民に当たり前のように伝わっている。テレビからの情報ではなく、facebookやYOUTUBEといったインターネットサービスも内乱を拡大させる大きな要因となっている。シリアは、スンナ派の武器横流しだけでなく、メディア戦争によって窮地に追い込まれている。
 
ウェーバーの時代、政治ジャーナリストはあくまで、政治活動の一端を担う人物であったが、中東のジャスミン革命などの始まりをみてわかるように、ジャーナリストを先頭に行ってきた宣伝活動が、素人などの口コミによる扇動、拡散によって爆発的に、瞬時に広まる点が現代的である。しかし、それらの参加者の多くは衝動的に賛同してみた烏合の衆が多い。祭り上げられ選挙に立候補してみたリーダーは、デマゴーグ的雄弁の力を持っていても、政治家としての統率力や器量があるのかは疑わしい。日本では、原発事故や中韓の領土問題などをきっかけにテレビや新聞、マスコミに対する不信感が広がり、マスコミから離れていく人々が増えている。かわりの情報はインターネットで得ることができるが、それらはどうしても自らの都合のいい情報のみ取得する危険性をはらんでいる。

-ドイツ文学, ヨーロッパ史, 西洋哲学

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