陳 舜臣訳『ルバイヤート』 感想

 

タイトル:ルバイヤート オマル・ハイヤーム  
あらすじ:四行詩でつづられたペルシア文学の最高傑作。
人生を刹那的に考え、今を楽しもう、酒ヤッホー!という感じのストーリー

オマルハイヤーム著『ルバイヤード』を読んでみました。

ルバイヤートといえば、世界史の受験勉強でも出てくる
イスラーム世界を代表する文学です。

読んでみると、『詩』でした。

それにしても、こちらの詩、崇高さをひしひしとかんじます。
そして、酒好きを感じる・・・むーん。。。

一番ググッときたのが、その死生観です。

昨日われ市場に陶工を見たり
かれ新土の塊を荒々しげに蹴りたれば
その土おのれの言葉もてつぶやきぬ
われかつては汝と同じかりき 請う心せよと

イスラムの死生観とはまたちがったルバイヤードの詩に
はっとしてしまいました。
死んだら土にかえる。ただそれだけとは説明できない。

この章を読んでいるとき、
窓際にあるバジルの鉢の土を見つめてしまいました。

この土はかつて誰かの身であったのかもしれない。

そして、私も、未来に、誰かのバジルの鉢の土になるかもしれない。
そうかんがえながら
読了。

*****
私が読んだルバイヤートの訳は

岩波文庫で出ている小川 亮作先生の訳のほうじゃなく

日本生まれの台湾人作家「陳 舜臣先生」のほうをよみました。
本文もさることながら、まえがきを読んでから本文を読むと
いろいろ考えてしまいます。
陳 舜臣先生が翻訳をしていたのが太平洋戦争時
防空壕に避難する際も、翻訳途中のルバイヤートを持って
隠れたというエピソードもあり。

作家だから?ルバイヤード本体のせい?流れるような文章が
心地よい詩でした。

今度は小川先生のと比べて読んでみたい

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