(感想 ディケンズ)【本】世界でいちばん面白い英米文学講義 

 

タイトル:世界でいちばん面白い英米文学講義―巨匠たちの知られざる人生

この著者はディケンズの研究家みたいだったので、
ディケンズの濃い話がかいてあって、ワクワクしながら3度読みしちゃいました。

ディケンズは、19世紀でもっとも本を売ったベストセラー小説家です(たしか)
さてさて、ディケンズはどうやって本を売ったか。面白い話が残っています。
「ディケンズは同じ本を3冊売った。」
はい。これだけ聞くと、なに?詐欺?と思うかもしれません。

まず、無名の作家であったディケンズは、
安いペーパーバック(っていうんでしたっけ?)で本を出しました。
数巻にも及びますが、巻末にすごく気になる展開を書くという戦法(?)で、
次の巻も買う、つぎも!というかんじで、読者を増やしていきます。
いよいよ最終巻が出ると、同時期に今度はハードカバー版で同じ話を出版する。

日本の出版業界でもよくやっている売り方ですが、
日本だと、 まずハードカバー→数年後に文庫 という順なのが時代の流れをかんじます。

この時点で、同じストーリーを2回売っているディケンズ。
だが、ここでは終わらず、さらに
超豪華版 も出版されました。

この超豪華版は一般家庭の手に届くような値段ではなかったらしいのですが、
資産価値がある!とみなし、みんな買って銀行に預けたそうです
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まあ、確かに今の時代まであったとしたら
かなりの高額になっていそうですが、何部刷ったんだろう・・・

ディケンズがなぜ、ここまでお金に執着したのか、
ソレは。。。ディヴィットコパーフィールドを読んで彼の過去を考えてみてください(*^。^*)

ディケンズがあたかも本を押し売った~みたいな説明になってしまいましたが、
もちろん、ディケンズの小説のすばらしさは別格です。
なによりすごいのは、彼の作り出したキャラクターではないでしょうか。

近世英文学史のテキストにも
彼の小説にでてきた登場人物たちは、歴史上の人物のごとく有名で
とあるように、イギリス人たちに愛されています。
一番有名なのは、スクルージおじさんでしょうか。
ケチケチじいさんのスクルージおじさんは、クリスマスキャロルの主人公。
年末年始にヨーロッパに行くと、かならずスクルージおじさんに出会う。
うんざりするくらいスクルージなかんじです。

日本でディケンズといえば、クリスマスキャロルが一番人気?

ディケンズはそれだけじゃない。もっとひろまってほしいなぁと感じています。

特に、ディヴィットコパーフィールドはディケンズの自伝的小説で、
ぜひぜひ読んでほしい1冊です。
岩波文庫の最終巻で、たしか。。。58だか59章のワンシーンは
私に衝撃を与えました。
最愛の人の死に崩れるディヴィットが
あてどなく海外を彷徨う。

あのあたりは、今でもよく覚えています。

ディケンズは、最初「ボズ」というペンネームで
短編をかいていました。
ボスのスケッチとして、日本語でも出版されています。
貸したままかえって来ないので5年くらいよんでいませんが、
信号主の話は印象的だった。
やっぱりディケンズは神だ!!!と

文学部1類もいいけど、3類、、、英文学の研究も楽しそうだなぁ~と
近世英文学史のレポート楽しんで書いています(*^。^*)w

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